special interview
スペシャルインタビュー

高雄病院理事長 江部康二ドクターと菓子職人オーナーシェフ 稲井啓一朗のスペシャルインタビュー
高雄病院理事長 江部康二ドクターと菓子職人オーナーシェフ 稲井啓一朗のスペシャルインタビュー

わたし自身が糖尿病を発症し、
それをきっかけに本格的に糖質制限食に取り組みました。

江部先生が糖質制限食の研究に取り組まれたきっかけは何だったんですか?

江部
1999年、当時高雄病院院長であった私の兄 江部洋一郎が、日本で初めて糖尿病患者さんに糖質制限食を導入しました。2年後には私も糖尿病患者さんに糖質制限食を導入し劇的改善を得ることができました。その後、2002年に私自身が糖尿病を発症して、薬なしの食事療法(糖質制限食)を本格的に研究することとなりました。

稲井シェフも糖尿病を発症されているとの事ですが、いつからですか。

稲井
今から20年前、40才のときでした。当時体重99kgが1か月で30kg近く落ち近くの病院を受診すると、血糖値500以上、HbA1cは15.6%、「重度の糖尿病」でした。その後カロリー制限食と運動・投薬を中心とした、対処法が続きました。
食べてもよい食材、制限する食材

糖質制限食とは、具体的にどういった内容でしょうか。

江部
簡単に言えば、魚・肉・卵などおかず(脂質とタンパク質)をしっかり食べて、穀物など主食のデンプンや芋類のデンプンを食べない食事療法です。食物繊維やビタミンCも必要なので野菜や海藻や茸も摂取します。血糖値を直接上昇させるのは糖質だけで、タンパク質・脂質は上げません。<炭水化物=糖質+食物繊維>です。食物繊維は必要なので、炭水化物制限ではなく、糖質制限です。
糖質制限で減ったカロリーは、タンパク質と脂質を増やして補充します。

どのような方に糖質制限食は有効なのでしょうか。

江部
糖尿病や肥満・メタボは勿論のこと、生活習慣病のほぼ全てに有効です。 例えば、片頭痛、逆流性食道炎、ニキビ、アトピー性皮膚炎、気管支喘息、潰瘍性大腸炎、尋常性乾癬などに有効です。

江部先生に出会われてから主治医を江部先生にし、糖質制限食実践の為教育入院もされたそうですが、いかがでしたか。

稲井
ご縁があり、糖質制限のスイーツを依頼されてからの10年来のお付き合いになります。同時に主治医になって頂きました。
そこで「江部先生の糖質制限理論」を初めて知りました。
初めて糖質制限食実践の教育入院を行い、三食とも主食を抜く、スーパー糖質制限食に出会いました。入院2日目には効果はバツグンで食後の眠気が無くなり、読書や事務仕事などの能率が向上し、毎食後、散歩に行く気力も生まれました。今までのカロリー制限は何の効果があったのか、と考えさせられました。
糖質制限ロールケーキ
糖質制限ロールケーキ

稲井シェフが作る「糖質制限スイーツ」は
とても甘くて豊潤でジューシー、見た目も美しい。

糖質制限食を取り組んでいる時の間食(おやつ)についてアドバイスを頂けますか。

江部
チーズやナッツ類やゆで卵は糖質が少ないので間食に適しています。天日干しのスルメや片口イワシも糖質が少ないので間食OKです。
菓子職人さんの糖質制限クッキーやスイーツも間食OKです。

稲井シェフが「糖質制限スイーツ」に取り組まれた際の一番難しい点は何でしたか。

稲井
糖質制限スイーツは、炭水化物から食物繊維を引いた糖質量が食品100gあたり5g以下であることが大前提で、そのためにはショ糖(砂糖)と小麦粉や米粉等を両方とも極力使用せずに洋菓子を作らなければなりません。当時は甘味としてエリスリトール、小麦粉の代わりにおから、大豆粉ぐらいしか代替えとなるものがありませんでした。参考レシピもありませんでしたので、変な甘みしか出ない・膨らまない、試行錯誤の連続で、作っては糖質量の確認の繰り返しでした。

多くの試行錯誤を経て、「糖質制限スイーツ」が誕生したんですね。

江部
稲井シェフが作る「糖質制限スイーツ」は、とても甘くて豊潤でジューシーで見た目も美しいです。実は、私自身は甘さ控えめが好みなのですが、一般の人はやはり甘いのが好きだと思いますのでとってもおすすめですよ。
血糖値を測定中
血糖値を測定中

わたしたち自らの血糖値を測定し、
どれだけの糖質が含まれているかを算出しています。

お二人はご自身が糖尿病を発症されているので、ご自身の血糖値を測定して試作を重ねておられるそうですね。

稲井
私は2型の糖尿人です。商品が出来上がれば簡易測定器で自身の血糖値検査をします。100g食べる前と食後1時間後と2時間後の3回測定し、だいたいの糖質量を予想して、2回目、3回目の試作に取りかかります。

血糖値測定の内容を教えていただけますか。

江部
一般に、体重が64kgの2型糖尿病患者で1gの糖質が3mg血糖値を上昇させ、体重が64kgの1型糖尿病患者で1gの糖質が5mg血糖値を上昇させます。
私は2型糖尿病です。私の場合は体重57kgですが、1gの糖質が血糖値を3mg上昇させます。
例えば、食前の血糖値が100mgとして、糖質制限ケーキ1/6個(約100g)を食べたあと1時間のピークの血糖値が112mgとなれば、<112mg-100mg=12mg> → <12mg÷3mg=4> で4gの糖質が含まれていたことがわかります。
糖質含有量が不明のケーキを100g食べて、食後1時間の血糖値が45mg上昇すれば、<45mg÷3mg=15g> で15gの糖質が含まれていたこととなります。

洋菓子作りを通じて糖尿人や予備軍の方々のお役に立ちたいと思います。

最後にメッセージをお願いします!

江部
稲井シェフも私も共に糖尿人です。糖尿人の同胞として、世の糖尿人やメタボ人やダイエットしたい人のために糖質制限スイーツ、ケーキ、クッキーなどを稲井シェフと協力して作っていきたいと思います。
稲井
私の憧れである、いつも若々しくてぶれない江部先生の糖質制限食理論。必要とされる糖尿病人や予備軍の方々に洋菓子作りを通じて微力ながらお役にたちたいと思います。皆様のご期待以上のものを提供できるように努力してまいりますので、今後ともご意見等をいただければ幸いです。そして、体を大切にしましょう。すべては健康からです!
江部 康二先生

江部 康二先生 プロフィール

内科医/漢方医/一般財団法人高雄病院理事長/一般社団 法人日本糖質制限医療推進協会理事長

1950 年
京都府生まれ
1974 年
京都大学医学部卒業
1974 年
京都大学胸部疾患研究所第一内科(現在京大呼吸器内科)にて呼吸器内科を学ぶ
1978 年
高雄病院に医局長として勤務
1996 年
副院長就任
1999 年
高雄病院に糖質制限食導入
2000 年
理事長就任
2001 年
糖質制限食に本格的に取り組む
2002 年
自ら糖尿病であると気ういて以来、さらに糖尿病治療の研究に力を注ぎ、「糖質制限食」の体系を確立。 これにより自身の糖尿病を克服
  • ドクター江部の糖尿病徒然日記
  • 一般社団法人 日本糖質制限医療推進協会
稲井啓一朗

稲井啓一朗 プロフィール

菓子職人 オーナーシェフ

高校卒業後
京都市内洋菓子店に就職。
その後25歳で独立。洋菓子店「菓子職人」をオープン
2006 年
イベント・催事などで、JR京都伊勢丹・高島屋京都店・大丸京都店などに出店。
地方では、伊勢丹新宿本店、岡山天満屋、JR名古屋高島屋店などに出店
2008 年
糖質制限スイーツ販売開始
2017 年
還暦を前に百貨店から全面撤退。京都西院の本店1店舗とオンライン販売のみに集中

店名のごとく、職人としての心構えを忘れず、常に向上心をもち、洋菓子作りに誠意と情熱を持ち続けることを念頭に今日に至る。従来商品のレベルアップ、季節商品・新商品はもちろん、糖質制限商品にも、日々「菓子職人」として勢力を注ぎ込む。

菓子職人WEBサイト